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2023/05/08

水素自動車の新時代 ホンダの挑戦と展望

EV

ホンダが水素自動車の本格参入を表明しました。これまでトヨタや日産などが水素自動車の開発・販売を進めてきましたが、その水素自動車業界に、今度はホンダが加わることになりました。本記事では、そんなホンダの水素自動車参入について、背景と今後の動向を解説します。

2023年2月2日水素事業説明会を実施

ホンダは、2050年にホンダの関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラル実現を目指すとともに、製品だけでなく、企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロの実現に向けて、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つを柱に取り組んでいます。その中で水素を、電気とともに有望なエネルギーキャリアとして位置づけています。

ホンダは、2023年2月2日に水素事業説明会を実施し、水素エネルギーに関する取り組みを発表しました。同社は、2016年に発表したFCV、「CLARITY FUEL CELL」に次ぐ新たな次期FCEVモデルを2024年に発売予定であることを公表致しました。

ホンダは、水素エネルギーの利用に可能性を感じ、20年以上前から、水素を利用した車両の開発に取り組んでいます。同社は、他の会社が環境に配慮した車両の開発に取り組む中で、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に加えて、水素燃料電池車(FCV)の開発に注力しています。

ホンダは、FCVに対して高い評価を与えており、今後もFCVの開発に力を入れることを明言しています。同社の水素エネルギーに対する見解には、「水素エネルギーは、将来のエネルギー問題に対する解決策として、非常に重要な役割を果たすものと考えられる」という見方が反映されています。

水素自動車業界への参入の背景

ホンダが水素自動車に注力する背景には、環境問題に対する社会的な関心の高まりや、電気自動車の課題があげられます。電気自動車は、充電時間や走行距離などの制限があるため、長距離ドライブなどには不向きです。一方、水素自動車は、短時間での給油や長距離走行が可能であるため、電気自動車に比べて利便性が高いとされています。また、水素自動車には排出ガスがなく、CO2削減にも効果的であるため、環境に配慮した取り組みとして注目を集めています。

水素自動車業界への参入にはいくつかの問題点があります。

例えば水素ステーションの整備が課題となっています。現在、水素ステーションは数が限られており、特に地方ではまだ整備が進んでいないため、水素自動車の利用が制限されてしまうことがあります。

一方で、消費者からは環境に配慮した車両へのニーズが高まっており、水素自動車にも期待が寄せられています。水素自動車は、電気自動車と異なり、充電時間が短く、走行距離が長く、またエネルギー密度が高いため、車両の利便性が高いとされています。ただし、現在の水素自動車は、価格が高く、整備も難しいため、まだ一般的な利用には適していないとされています。

ホンダの参入によって今後どうなるか

ホンダの水素自動車への参入は、水素自動車の普及に大きな影響を与えることが予想されます。これまで、水素自動車は高額で、まだまだ一般消費者には普及していなかったため、充電スタンドなどのインフラ整備も進んでいませんでした。しかし、ホンダなど大手自動車メーカーが参入することによって、需要が増え、価格が下がる可能性や充電スタンドの拡充が考えられる可能性があります。

また、ホンダは、バイクや小型車など、様々な分野での実績を持っています。今後は、水素自動車を含む電動化に注力することで、グリーンモビリティ分野での競争力を高め、新たな市場を開拓していくことが期待されます。

水素と宇宙開発

少し余談にはなりますが、水素技術のさらなる活用先として、ホンダは宇宙領域を想定した先行研究開発に取り組んでいます。宇宙で人が生活するためには、水や食料に加え、呼吸のための酸素、燃料となる水素、諸活動のための電気が必要です。持続性を保つためにはそれらの地球からの補給を極力削減することが必要で、太陽エネルギーにより水を電気分解して酸素と水素を製造する高圧水電解システムと、酸素と水素から電気と水を発生させる燃料電池システムを組み合わせた「循環型再生エネルギーシステム」の構築が解決策の一つとなります。

こうしたシステムの実現に向け、Hondaは2020年から2021年度まで国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)と共同研究を行っています。水素には、宇宙にまで広がる無限の可能性を秘めていることが分かります。

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