お役立ちコラム
2025/09/26
事業者の熱中症対策義務化 具体手法は?
電気料金・省エネ
猛暑が年々激しくなる中、熱中症は屋外だけでなく、室内でも発症リスクが高まる健康問題です。厚生労働省も「屋外だけでなく室内でも発症する」可能性を指摘しており、注意を呼びかけています。
こうした背景を受けて、2025年6月1日より、労働安全衛生規則の改正により「職場における熱中症対策の強化」が義務化されました。
本稿では、まず公的な根拠・法制度を整理し、そのうえで「実務的に取り得る複数の対策」を列挙します。特にエアコン更新・新設は有効な一手とされています。
目次
公的根拠と制度的枠組み
労働安全衛生規則改正(令和7年6月1日施行)
令和7年6月1日から、改正された労働安全衛生規則が施行され、職場での熱中症対策が法令上の義務となりました。この改正により、事業者は以下のような措置を義務付けられています。
1. 体制整備:熱中症の自覚症状を持つ作業者、あるいは熱中症のおそれがある作業者を発見した者が、報告できる体制(連絡先・担当者など)を事業所ごとに定め、周知すること。
2. 手順等の作成・周知:熱中症の悪化を防止するための措置(作業の離脱、冷却措置、必要時の医師対応等)や実施手順を定め、従事者へ周知すること。
対象作業として想定されているのは、28℃以上 または 気温31℃以上の環境下で、継続1時間以上または1日4時間を超える作業です。
このように、制度改正により、熱中症対策は「任意」ではなく、事業運営上対応が不可欠となりました。
公的機関が示す予防指針・実践例
暑さ指数(WBGT)・温湿度管理
厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」では、WBGT値を把握し、WBGTの低減を目指す作業環境管理が重要とされています。また、環境省・WBGT情報サイトでは、室内では「室温上昇に注意」を呼びかけ、屋外では炎天下を避けるよう指針を示しています。特に、冷房時は室温28℃程度を目安とする運用がよく言われます(ただし立地条件・湿度・人数・機器発熱等で調整が必要)
厚生労働省「熱中症を防ぐために」ガイドより
厚労省自身も「屋内ではエアコン等で温度を調節」「遮光カーテン・すだれの利用」「室温をこまめに確認」などを勧めています。また、のどの渇きを感じていなくても、こまめな水分補給を促す旨が明記されています。高齢者は暑さを感じにくくなるため、感覚だけに頼らず温湿度計で管理することも強調されています。
主な熱中症対策(施設・オフィス・集合住宅の実務)
単一施策では不十分。複数の対策を組み合わせることが効果的です。
①冷房・空調設備の整備
高効率エアコンの新設・交換、定期メンテナンスで、室温・湿度を安定的に管理。
②遮熱・断熱/日射制御
遮光カーテン、すだれ、外部日よけ、窓ガラス遮熱フィルム、屋根・外壁の断熱/遮熱塗装。
③換気と通風の工夫
二方向通風、計画換気、必要に応じて空気清浄機を補助的に活用。
④作業計画・運用の見直し(職場)
暑い時間帯の作業回避、休憩の確保、作業時間短縮、涼しい休憩室の整備。
⑤健康管理・体調モニタリング
暑熱順化(体を暑さに慣らす)期間の確保、日々の体調チェック
⑥水分・塩分補給の支援
飲料水の設置、経口補水液の常備、定期補給の促進。
エアコン設備更新の重要性
熱中症対策の要は「適切な温度・湿度管理」を安定して実現することです。屋内対策としてはエアコン等で温度を調節し、室温をこまめに確認する運用が基本となります。特に、暑さ指数(WBGT)と連動して環境を管理することが推奨されます。
職場向けの公的マニュアルでは、WBGTの把握と、その低減を目的とした作業環境管理(換気・遮熱・空調の組み合わせ)が重視され、空調改善は中核的な対策です。老朽化した機器では能力低下や制御精度の劣化により設定温度の維持が難しくなるため、高効率機への更新や適正能力の再選定が実務上有効です。
また、建築物環境衛生に関する一般的な運用基準では、室温28℃程度・相対湿度70%以下を目安とする運用が示されており、最新の空調設備へ更新することは、この基準の実現性と持続性を高めます。更新により制御性(温湿度センサー、タイマー/予約運転、ゾーニング制御)が向上し、運用上のムダや過冷却・過負荷を抑制できます。
まとめ
法令対応はあくまで最低限のラインです。冷房設備の更新を軸に、遮熱・換気・運用・教育・水分補給といった複合対策を組み合わせ、誰にとっても安全で快適な空間づくりを進めましょう。必要に応じて、施設特性や利用者属性に合わせた個別設計・運用指針の策定もご支援いたします。
エアコンの導入を検討する方は下のお問い合わせボタンよりお問い合わせください。
太陽光発電の設置に関するご相談はこちら
相談するお問い合わせ
自家消費型太陽光発電は
【法人のお客様向け】サービスです。
まずはお気軽に
お問い合わせください。
平日9:00~18:00 ※携帯電話からもOKです
無料で簡易お見積する