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お役立ちコラム

2022/09/05

企業のCO2削減戦略とサプライチェーン排出量(Scope1,2,3)について

その他

目次

最近よく耳にするscope3とはなんでしょうか?
企業における、自社の温室効果ガスの排出量の算定に
「サプライチェーン排出量」についての知識は欠かせません。

今回はサプライチェーン排出量と、それを構成するScope1,2,3について
それぞれ解説をしていきます!

サプライチェーン排出量の概要

サプライチェーンとは、原料調達・製造・物流・販売・廃棄等、一連の流れ全体をいい、
そこから発生する排出量をサプライチェーン排出量と呼んでいます。

サプライチェーンは、Scope1,2,3から構成されており、
そのScope3基準はGHGプロトコルというWRI (世界資源研究所)と
WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が共催している組織が定めています。

つまり、サプライチェーン排出量を理解するにはScope1,2,3がそれぞれ何かを理解する必要があります。
それぞれ説明していきます。

参考:環境省【サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ

Scope1(直接排出量)とは

Scope1とは、その企業自身が直接排出した温室効果ガス排出量になります。
主に事業者が持っていたり、管理したりしているシステムから発生した温室効果ガスのことを指します。
具体的には2つの温室効果ガスに分けられます。

1つ目は、燃料を燃やすときに出る温室効果ガス。
2つ目は、製造過程の化学反応によって出る温室効果ガスです。

前者には、ガソリンや軽油、液化石油ガスの使用が挙げられます。
ボイラーや炉、車両などを利用している企業は、燃料を燃やす際にScope1に分類される温室効果ガスを排出しています。

後者には、鉄やセメントの製造が挙げられます。化学製品を作る企業は、こちらに注意が必要です。

Scope2(エネルギー起源間接排出量)とは

Scope2は、他社からの電気や熱、蒸気の使用により間接的に排出されるCO2のことを指します。

Scope2は、活動量✕排出係数で算定することができます。
Scope2における活動量は、他社から購入した電気や熱などの間接排出量です。排出係数に関しては、以下の数値を用います。

(1)電気事業者から購入した場合

国が公表している電気事業者ごとの排出係数

(2)電気事業者以外から購入した場合

実測等に基づく適切な排出係数

(3)上記では算定できない場合

環境大臣・経済産業大臣が公表している排出係数

出典:環境省『温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度 制度概要』

Scope2を算定することで、事業活動で活用している電気や熱によるCO2の排出量を把握することができます。
算定結果をもとにScope2の削減をどのように実施するのか検討できます。

Scope3(その他間接排出量)とは

Scope3は、上記Scope1とScope2以外の排出量のことを指します。
Scope3は15のカテゴリを上流と下流に分けられたものから構成されています。

環境省・経済産業省 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定に関する基本ガイドライン」より作成

サプライチェーン排出量が求められる背景

サプライチェーンの把握・管理への社会的要請の高まり

製品を対象として原料調達・製造・物流・販売・廃棄までの排出量を評価することを
「製品のLCA(ライフサイクルアセスメント)」といいます。

これに対してサプライチェーン排出量を評価することは「組織のLCA」とも呼ばれます。

製品だけではなく組織のサプライチェーン上の活動に伴う排出量を算定対象とすることは
企業活動全体を管理することにも繋がるため、
企業の環境経営指標や機関投資家の質問項目として使用される動きが見られます。

この背景には、環境側面だけではなく
経済・リスクの側面からもサプライチェーン把握・管理が重視されていることがあります。

算定範囲の拡大:「自社の排出」から「組織のサプライチェーン全体」へ

我が国におけるScope1,2排出量の算定や削減努力は進展してきています。

他方、昨今、自社が関係する排出量の更なる削減を目指して
Scope1,2以外の排出量である「Scope3排出量」が注目されるようになってきています。

Scope1,2排出量に加えてScope3排出量を算定することで、サプライチェーン排出量を把握できます。

サプライチェーン排出量を算定するメリット

削減対象の特定

自社のサプライチェーン排出量の全体像
(排出総量、排出源ごとの排出割合)を把握し、
サプライチェーン上で優先的に削減すべき対象を特定できます。

他事業者との連携による削減

排出量算定のための情報交換がきっかけとなり、
サプライチェーン上の他事業者と連携した削減策を共同で考案し取り組むことができます。

機関投資家等の質問対応

機関投資家や環境格付機関による質問票にサプライチェーン排出量に関する質問が増えてきています。
適切に回答し、自社の環境経営の取組を発信することで、自社の評価を高めることができます。

環境経営指標に活用

自社のサプライチェーン排出量の経年変化を把握して、
削減対策の進捗状況を確認できるため、環境経営指標として活用できます。

削減貢献量の評価

サプライチェーン排出量と削減貢献量を一緒に公表することで、
削減貢献量の参考指標として活用することができます。

CSR情報の開示

企業の社会的責任情報開示の一環として、サプライチェーン排出量をCSR報告書、
WEBサイトなどに掲載し、自社の環境活動への理解を深めてもらうことができます。

弊社も、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの取り組みを促進しています。
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最後に

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