お役立ちコラム
2022/10/20
ISO14001とエコアクション21とは
その他
目次
今回は企業が環境という点で取得する規格である、『ISO14001』と『エコアクション21』。
どちらも環境という点では取得するメリットは大きいです。
もちろん、両規格とも取得をするのに労力と時間は取られます。
でも、どちらを取得すればいいのか?それとも両方取得すればいいのか?が分からないという声も大きいです。
今回は『ISO14001』と『エコアクション21』を解説します。
ISO14001とエコアクション21とは
1.1 ISO14001
『ISO14001』
ISO14001とは、製品の製造やサービスの提供など、自社の活動による環境への負荷を最小限にするように定めた仕様書です。 ISO14001を取得した組織や企業は、地球環境へ配慮した組織/企業活動を行っていると国際的に認められることになります。
わかりやすく言いますと、国際基準の環境への取り組みということです。
製造業の取得が多いため、同じISOの規格で品質マネジメントを目的とした『ISO9001』も取得している企業も多いです。
特徴①
環境の取り組みの世界基準
製造過程にて排出される有害物質や地球温暖化ガスの管理、改善を目的として作られました。
上記の管理を怠ると公害や地球規模での災害が多発し、人々の生活に大きな影響が起こります。
それを防ぐために、世界規模で取り組む基準です。
特徴②
海外との取引がある場合は必須。
国際基準であるため、海外の企業との取引をする企業の取得は必須といえます。
環境基準でいえば、日本より海外の方が企業単位でも厳しく設定されています。
今は、SDGsやESG経営の流れからより顕著に表れています。
ISOを取得していなければ、サプライチェーンから外されることになります。
1.2 エコアクション21
『エコアクション21』
エコアクション21は、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)です。
一般的に、「PDCAサイクル」と呼ばれるパフォーマンスを継続的に改善する手法を基礎として、組織や事業者等が環境への取り組みを自主的に行うための方法を定めています。
特徴①
中小企業でも容易に取り組める環境経営システム
エコアクション21では、事業者の環境への取組を促進するとともに、その取組を効果的・効率的に実施するため、国際標準化機構のISO14001規格を参考としつつ、中小事業者にとっても取り組みやすい環境経営システムのあり方を規定しています。
この環境経営システムを構築、運用、維持することにより、環境への取組の推進だけでなく、経費の削減や生産性・歩留まりの向上等、経営面でも効果があります。
わかりやすく言いますと、難しい国際基準を国基準に分かりやすくし、取り組みやすく仕組みが作られています。
特徴②
環境経営システムが構築、運用、維持されているといっても、それだけでは環境への取組を十分に実施していることにはなりません。エコアクション21では、必ず把握すべき環境負荷の項目として、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量及び水使用量を規定しています。
さらに、必ず取り組んでいただく行動として、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクル、節水、自らが生産・販売・提供する製品の環境性能の向上及びサービスの改善などを規定しています。
ISO14001とエコアクション21の違い
1つめは、国際規格と国内規格
先述にありましたが、ISO14001は国際規格、エコアクション21は環境省管轄の国内規格です。
海外のサプライチェーンであればISO14001取得は必須ですが、そうでなければエコアクション21といった選択もいいかもしれません。
ただ、知名度としてはISOの方が高いのは事実です。
2つめは、環境経営システムの構築、運用、維持の難しさ
ISOは国際規格ですので、非常に厳しいルールが決められています。
特にISO規格を維持するのが非常に難しく、規格を取得したは良いが維持が難しく、途中で取得を取り下げるケースも少なくありません。
環境への取り組みはコストがかかるものだと分かります。
最近はESG経営で表されるように経営には環境への取り組みが必須で、環境への取り組みが利益に直結する時代へと変化をしています。
ですので、この問題に関しては企業がどこまで本気で環境への取り組みを行うかが重要になっていきます。
対してエコアクション21はISOに比べると取得や維持等はしやすくなっていて、上記の様な大企業がコストを割いて行うことが出来ない中小企業にも取り組みやすい仕組みになっています。
海外のサプライチェーンではないが、企業として環境への取り組みが求められているこの時代に国が用意しているシステムです。
中小企業は、日本では421万企業のうち99.7%を占めています。
つまり、日本のCO2排出を抑えるのには中小企業が積極的に取り組むことが必須です。
その中小企業が取り組み、ブランドイメージとして位置づけが出来るものがエコアクション21です。
どのように取得・参加できるのか
3.1 ISO14001
ISO14001の認証のおおまかな流れは①審査見積取得②契約(審査)③1次審査④2次審査⑤判定⑥認証です。
ただ、ここからが大変でこの認証取得維持の為の厳しい審査が毎年行われます。
審査が通らなければ認証は取り下げられます。
再取得するにはまた1から申請をしなければなりません。
詳しくはコチラ
3.2 エコアクション21
エコアクション21の認証までのおおまかな流れは①審査の申し込み②担当審査員の通知③必要書類の送付④審査⑤判定⑥認証です。
取得後の維持について、更新は1年ですが、更新の条件は1年に1回ある中間審査や更新審査を受けることとなっています。
現状、更新不可や更新辞退になることは非常に稀でほぼ更新が出来ると言われています。
ISO14001に比べると易しい制度ではあります。
詳しくはコチラ
最後に
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