お役立ちコラム
2023/04/16
太陽光発電の設置業者選び 後悔しないためのポイント
太陽光発電
太陽光発電システムを設置する際、パネルの種類やスペックと同程度に重要なのが業者の選び方です。
業者選びが不十分だと、ニーズに合っていないソーラーパネルを設置してしまうリスクがあるほか、雨漏りやご近所からのクレームなど、深刻なトラブルにつながることも考えられます。
太陽光発電の業者について概要を解説するとともに、業者選びにまつわるトラブルの実例などを紹介します。業者選びのポイントやコツ、業者とのトラブルが起きたときの相談先も紹介しているため、オフィスやご家庭に太陽光発電システムの導入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
太陽光発電の業者とは?
太陽光発電システムを導入する際に関わりを持つこととなる企業は、おおむね、メーカーと販売施工業者の2種類です。最初に、2つの違いを確認しましょう。
メーカー
ソーラーパネルや蓄電池などの設備を開発・製造している会社のことをメーカーと呼びます。
国内で購入できるソーラーパネルのメーカーには、長州産業、カナディアンソーラー、京セラ、パナソニック、Qセルズ、シャープ、エクソル、ネクストエナジー、ソーラーフロンティア、DMMエナジーなどがあります。
販売施工業者(設置業者)
販売施工業者とは、太陽光発電システムの説明や販売、工事の施工やアフターケアを担当する企業のことをいいます。通常、業者とはこの販売施工会社を指しています。
2021年時点で、全国に太陽光関連業者は5,423社あるため、単純計算で1都道府県につき115社ほど存在しています。
設置業者選びが重要な理由
全国に数多く存在する太陽光発電システムの設置業者。なぜ設置業者を慎重に選ぶべきなのでしょうか。3つの理由を解説します。
1. ニーズにあったパネルを提案してもらえるから
太陽光発電システムを導入する際は、ソーラーパネルの性能が気になる人は多いのではないでしょうか。
人によっては、業者を決める前からすでに、設置したいソーラーパネルのメーカーや種類を決めていることもあるかもしれません。ところが、屋根構造や面積などの条件から、設置したかったパネルが付けられないケースは頻繁に起こります。
そのようなときでも、業者側に取り付け工事の知識やノウハウがあれば安心できます。希望するメーカーのソーラーパネルでなくても、条件に合致するパネルを提案してくれる可能性が高いからです。
また、工事の方法を工夫するなどして、当初希望していたソーラーパネルを取り付けられるように計らってくれる可能性もあります。ニーズに合ったソーラーパネルを提案してくれる業者を選ぶことで、後悔なく太陽光発電システムを導入できます。
2. ソーラーパネルの性能が十分に発揮されないこともあるから
業者が工事でミスを発生させた場合、ソーラーパネルの性能が十分に発揮されないリスクが生じます。
例えば、工事の最中にケーブルの断線を起こしてしまった場合、発電量が減少するだけでなく、漏電などの深刻な被害につながることが考えられます。
工事中に屋根の破損が起こった場合、雨漏りなどの問題が発生するほか、カビや結露の発生、機密性の低下など、住宅そのものの性能が低下してしまいます。
また、ソーラーパネルそのものに傷がついた場合、パネルの寿命が早くなってしまうことも考えられます。
わざわざ太陽光発電システムを導入するのであれば、パネルの持つスペックは最大限に発揮したいもの。工事の質が高い業者に依頼することが重要です。
3. トラブルを未然に防げるから
太陽光発電システム導入時、業者によってはご近所からのクレームといったトラブルに発展してしまうことがあります。
トラブルの種類によっては保険や補償がきかないこともあり、金銭面や体力面に大きな負担が生じてしまいます。知識やノウハウが豊富で信頼できる業者の場合、そもそもトラブルを発生させずに安心して太陽光発電システムを導入できます。
絶対避けたい!業者にまつわるトラブル実例
資源エネルギー庁によると、2020年、太陽光発電システムに関する相談件数は2,002件に達しました。
相談内容は「契約・解約」や「販売方法」に関するものが多くを占めており、業者の不適切な対応や説明不足が原因で発生していることがわかります。
ここでは、トラブルの実例を紹介します。
工事でのトラブルの発生
業者の施工した工事でミスやトラブルが発生した場合、パネルや壁、屋根を傷つけてしまうこともあります。例えば、事前に十分な承諾を得ないまま、工事のために外壁に穴を開けるなどのケースがトラブルとして報告されています。
また、屋根の雨漏りは相談の多いトラブルです。雨漏りやカビの発生など、深刻な被害につながりかねませんから、発生した際は速やかに業者に連絡を取りましょう。
気を付けておきたいのが、ソーラーパネルを設置した場合、住宅メーカーの提供している住宅の品質保証や保険は対象外となってしまうケースもあることです。この場合、業者による施工不良にもかかわらず、屋根や壁といった住宅設備を消費者の自己負担で修理しなければならないことも考えられます。
工事の前には、ソーラーパネル関連の設備だけでなく住宅そのものの保証についてもよく確認しましょう。
営業トークが過剰すぎる
業者によっては、成約件数を上げるために過剰な営業トークをしてしまうケースがあります。
例えば、売電額について「必ず導入費用の元が取れる」「毎月このぐらい発電が保証できる」、などの営業トークで契約を迫る場合があります。発電量は天候やソーラーパネルの状態などによって大きく変動するため、施工業者は売電収入を保証できません。
業者の言葉よりも発電量や売電額が少なく、設置を後悔している人は多数存在します。必ず複数の業者から相見積もりを取り、内容を比較してから契約を結びましょう。
勧誘や詐欺が起こるケースも
悪質な業者は、工事費用を不当に高額にしたり、ソーラーパネルの故障や発電量低下などのトラブルに対応しなかったり、といった不誠実な対応を取ることが考えられます。
ほかにも、品質や性能の悪いソーラーパネルしか紹介しないケースや、パネルや周辺機器の保証期間が非常に短く設定されており、故障しても修理してもらえないなどのリスクもあるでしょう。
太陽光発電の設置費用には100〜200万円程度かかることが一般的です。それ以上の金額が請求されている場合は、詐欺の可能性もあることに注意しましょう。
業者から金額の根拠について具体的に説明してもらうほか、相見積もりを取るなどして、納得できる場合にのみ契約を進めることをおすすめします。
契約後に倒産してしまう
契約や工事施工後、倒産してしまう業者も存在します。
帝国データバンクのデータによると、2021年、太陽光関連業者の倒産件数は84件。2021年時点の太陽光関連業者は5,423社のため、約1.5パーセントの業者が倒産していることがわかります。
業者が倒産してしまったのにもかかわらず業者の工事が完了していないケースでは、最悪の場合、支払い済みの前払い金や保証金が回収できないことも考えられます。
また、メンテナンスなどのアフターケアが受けられなくなることも大きな不安材料です。
ご近所トラブルが発生する
ソーラーパネルは光を反射するため、立地によっては周囲の住宅などに反射光が強く差し込み、ご近所から苦情が発生することがあります。
業者による配慮のない工事の結果、ソーラーパネルから大量の雪が落ちるなどして、人や住宅などに傷をつけてしまうこともあります。また、工事の最中に、器具や設備などで近隣住宅の屋根や壁にダメージを与える場合もあるでしょう。
太陽光発電の設置工事に際しては、大きな音や振動が発生したり、道路や駐車場を占有したりしてしまうものです。業者が、近隣住民に対して事前の説明や挨拶なしに作業を始めると、不信感や不満が生じ、トラブルに発展することもあります。
「自社施工」「外注委託」どちらの業者が良い?
業者を決める際に気になるのが、業者の工事の質です。
太陽光発電の業者は、販売から工事まで1社が担当する自社施工と、外部の業者に工事を委託している外注委託があります。どちらを選ぶべきなのでしょうか。それぞれのメリット、デメリットについて解説します。
自社施工
自社施工は、販売担当者と工事担当者が同じ会社に所属しているため、連携や対応がスムーズです。また、設備の品質管理やアフターサービスに責任感が生まれやすいことや、外注業者に比べてコストが安くなる可能性があることも魅力です。
一方、1社内で営業から契約、工事までのすべてをまかなうため、専門性や技術力が低い可能性や、設置可能なエリアや日程に制限があることはデメリットといえるでしょう。
外注委託
外注工事の場合、工事の質がある程度保証されやすいことは一番のメリットといえます。
太陽光発電システムの設置工事には、屋根と電気系統、2つの工事に関する知識やノウハウが必要です。専門の業者に依頼することで、安心して工事を任せられるでしょう。
一方で、デメリットも存在します。
例えば、工事への不満が生じた場合でも、意見がなかなか業者に伝わらずフラストレーションを抱えてしまいかねません。さらに、工事に不備や問題が発生した場合、責任の所在や解決策が明確でなくなってしまうリスクがあります。
自社でも外注でも、信頼できるかどうかが重要
自社施工と外注委託には、どちらにもメリットとデメリットがあります。
- 設置費用
- 工事の質
- アフターサービス
- 設置エリア
- 日程
など、自身のニーズに合わせて業者を検討しましょう。
業者選びのポイント8つ
実際に業者を選ぶ際には、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。選び方のポイントを8つ紹介します。
1. 複数業者から提案を聞く
太陽光発電を導入する際には、必ず複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
相見積もりを取ることで価格やメーカーの相場を把握できるほか、施工品質やアフターサービスなどを比較できるからです。
見積もりは、自宅の日射量や屋根の方位、形状、屋根材などによって変わります。そのため、以下の資料を準備しておくと、見積もりがスムーズに進みます。
- 自宅の設計図面
- 電気代の検針票(過去1年分)
また、相見積もりを比較する際は、以下の情報を確認しましょう。
- 見積もり総額(相場より高くないか)
- メーカーの定価(割高ではないか、保証期間やサポート内容はメーカーの指定しているどおりか)
- kW単価(他社と比較して妥当な範囲内か)
- アフターサービス(設備の保証期間や定期メンテナンスの内容)
2. 取扱いメーカーの多い業者を選ぶ
2023年現在、国内でソーラーパネルをつくっているメーカーは約15社です。
設置する建物の条件やパネルの発電効率、耐久性、価格などをかんがみた上で、もっとも理想に合致するパネルを選ぶためには、複数のメーカーを検討することが必須条件といえるでしょう。
3種類以上のメーカーを取り扱っている業者であれば、理想に近いソーラーパネルを提案してもらえる可能性が高まります。
3. 実績のある業者を選ぶ
実績の多い業者を選ぶことも大切です。
ソーラーパネルの最適なメーカーや設置場所、角度、数は、建物の形状や周囲の環境によって異なります。業者の知識やノウハウがもっとも問われる部分といえるでしょう。
多くの条件下で太陽光発電システムを設計・施工した経験がある業者なら、条件やニーズ、予算に合わせた最適なプランを提案してもらえる可能性が高まります。審査基準が厳しい自治体所有施設への導入実績などがあると、施工もより安心できます。依頼の際には、業者の公表している実績数を参考にするほか、口コミや評判も確認しましょう。
4. 保険・補償内容を確認する
ソーラーパネルやパワーコンディショナーは、火災や落雷、竜巻などの自然災害などが原因で破損してしまうこともあります。鳥のフンや落ち葉などによってパネルの表面が覆われ、経年劣化以外の要因で発電量が減ってしまうことも考えられます。
保険や補償の内容が薄い業者と契約していた場合、トラブルに対処する際の自己負担が大きくなる恐れもあります。リスクをカバーするためにも、契約の前には必ず、保険や補償制度の内容を確認しましょう。具体的には、以下の内容を確認します。
- 施工中や完成後の不具合・事故に対する責任保険に加入しているかどうか
- パネルやパワーコンディショナーなどの保証期間や修理費用
- 定期メンテナンスの頻度や内容
- メンテナンスや修理が有償か無償か
5. 商品知識を豊富に持っている
商品についての知識を豊富に持っている業者に依頼することも重要です。商品知識の乏しい業者の場合、ニーズや住宅の条件に合わない商品を提案されてしまう可能性があります。
また、工事後に故障や不具合が発生したり、トラブルにうまく対応してもらえなかったりするなど、大きな不利益を被ることも考えられます。
6. 外注委託の理由を聞く(外注委託している場合)
工事を外注委託している業者については、なぜ工事を外注委託しているのか確認しましょう。
業者のなかには、太陽光にまつわる十分な知識や資格がないために外注委託をしていることもあります。この場合、契約前の時点でニーズや住宅の条件に合わない商品を提案されてしまうことも考えられるため、十分に注意しましょう。
悪質な業者の場合、工事についての責任を一切負わないとするケースも起こり得ます。大きな後悔を防ぐためにも、なぜ外注をしているのかについては、契約前に把握しておきましょう。
7. トラブル対応方法を確認する(外注委託している場合)
外注委託業者が工事でトラブルを起こした場合の対応方法については、工事が始まる前に十分に説明してもらう必要があります。
例えば、工事中、屋根や壁などに傷がついたり、工事後に不具合が起きたりした場合、修理や補償責任の所在はどこにあるのかをチェックします。契約書や保証書を発行してもらえるかどうかも確認しましょう。
外注委託業者と直接連絡が取れるかどうかも、トラブルのスムーズな解消のためには重要です。
8. 太陽光発電協会の指摘もチェック!
太陽光発電産業の業界団体である太陽光発電協会では、太陽光発電システムを導入したいと考える人向けに、業者の選び方を解説しています。
たくさんの選び方が紹介されていますので、ぜひ参考にしましょう。例えば、以下のようなチェックポイントが紹介されています。
- メリットだけでなくデメリットも説明してくれるか?
- 現地調査をしっかりしてくれるか?
- 有償/無償の保証制度について説明してくれるか?
- 見積りは“一式”でなく、内訳(機器・工事内容毎)が記載されているか?
- 契約書・保証書を見せながら説明してくれるか?
- 契約をしつこく迫ったり、急がせたりしていないか?
業者とトラブルになってしまった場合の相談先は?
いかに気を付けて業者を選んだとしても、トラブルになってしまう可能性をゼロにはできません。業者とのトラブルが発生したときの相談先には、国民生活センターや住まいるダイヤルなどがあります。
2つの相談先の特徴や、相談の際に気を付けるべきことについて解説しています。
国民生活センター
国民生活センターとは、消費者の権利や利益を守るために活動する独立行政法人で、相談窓口として消費生活センターや、電話窓口の消費者ホットラインを運営しています。
無料で契約内容や解約方法について相談できるほか、ケースによっては交渉の手伝い(あっせん)や、紛争解決委員会への仲裁申請もしてもらえます。
相談の際には、以下の情報を事前に準備すると相談がスムーズに進みます。
- 契約書などの書類
- トラブルに至った状況をメモしたもの
- トラブルが起きた際の写真
住まいるダイヤル
住まいるダイヤルとは、国土交通大臣から指定を受けた(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる住宅専門の相談窓口です。年間3万件以上の電話相談を受けています。
一級建築士が相談員として対応するため、的確なアドバイスをもらえる可能性が高いことが大きな特徴です。相談内容によっては、弁護士などの専門家につなげてもらえることもあります。
また、住まいるダイヤルのホームページには、太陽光パネルについてのトラブル相談事例と回答も多数掲載されています。
自分の困りごとに似ているトラブルを抱えた人がいないかどうか事前に確認することで、対応が取りやすくなるため、ぜひ活用しましょう。
まとめ
太陽光発電システムを導入する際は、どの業者を選ぶかが非常に重要です。
信頼できる業者を選ぶことで、ニーズに合った太陽光パネルを提案してもらえるほか、工事にまつわるトラブルを防げたり、充実したアフターケアを受けられたりするなどの利点があります。
契約の前には、相見積もりを取ったり、補償内容をよく確認したりするなどして、信頼できる業者かどうかを注意深く確認したうえで契約を結びましょう。
信頼できる太陽光発電業者をお探しの人は、株式会社サンエーの太陽光発電サービスはいかがでしょうか。
個人のお客さまには「スカエネプラン」を提供しています。
- 設置費用は無料
- 支払う電気料金は定額制
- 停電時にも電気が使える
などの特徴を持ち、導入や運用コスト面に不安がある人にぴったりのプランです。
企業さまは「企業向け自家消費型太陽光発電事業」をご検討ください。
太陽光発電の導入によって、
- 企業価値の向上
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などの効果が期待できます。
サンエーでは、実績豊富な専門家が太陽光発電の導入をワンストップでサポートいたします。
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