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2023/05/02
バイオマス発電とは?廃棄物からクリーンエネルギーを生み出す仕組みを解説!
CO2削減・脱炭素
バイオマス発電は化石燃料を使わない発電方法として、一部で注目されています。今回の記事ではバイオマス発電のメリットや事例について紹介していきます。
目次
バイオマス発電とは
バイオマス発電とは、植物の生物資源をエネルギーに変換し、発電することを言います。具体的には、木材や枝葉、農業・食品業の廃棄物、繊維工業の副産物、家庭ゴミなどの有機物を燃やすことで発電を行います。バイオマスはリサイクル可能な天然資源であり、二酸化炭素を吸収するため、地球環境にも優しいエネルギー源として注目されています。用いられる素材は、木材や農業廃棄物、家畜の糞尿等、自然界や人間社会で発生する廃棄物を利用することができます。このような素材をバイオマス資源と呼ばれます。バイオマス発電は、地球温暖化問題を考慮しながら、CO2の排出量を低減するエネルギーとして注目を集めています。バイオマス発電に用いられる素材は、主に以下のものがあります。
1. 木材
森林や木材加工業者から集めた木材を燃料にします。また、家庭などで発生する木くずも利用できます。
2. 農業廃棄物
農作物の残渣や剪定枝などがあります。これらは、堆肥として再利用されることもありますが、その一部をバイオマス発電の燃料として利用することができます。
3. 家畜の糞尿
家畜が排出する糞尿も、バイオマス発電の素材として活用されます。ただし、糞尿からエネルギーを得るためには、適切な処理が必要です。
バイオマス発電のメリット
バイオマス発電の最大のメリットは、植物や動物などの再生可能な資源を利用していることなので、持続的に使うことができる点です。また、土地利用や水利用、温室効果ガスの削減、地域循環経済の構築など、地球環境を保護することにも貢献します。
さらに、廃棄物の再利用により、ごみ処理費の削減にもつながります。例えば、日本では枝や葉、切り株などの林業廃棄物をバイオマス発電に利用することが盛んに行われています。具体的には、北海道夕張市の「夕張バイオマス発電所」は、地元の木材工場や農業生産者などから集めた亜麻の茎や稲わらを原料とし、年間約6万トンのバイオマス発電を行っています。また、東京都小金井市にある「小金井バイオマス発電所」は、市民から出た生ごみや枝などを原料として、年間約20,000トンのバイオマス発電を行っています。
このように、バイオマス発電で用いられる素材は、地域で手軽に入手できる植物由来の自然資源であることも特徴の一つです。また、農業廃棄物や家畜の糞尿などは、地方自治体が直接管理しているものもあります。このため、地域に密着して発電が可能であり、地域経済に貢献することも期待されます。
バイオマス発電のデメリット
バイオマス発電には、いくつかデメリットもあります。まず、燃料の確保が難しいことが挙げられます。燃料となる有機物の供給が不足した場合、燃料調達コストが高騰し、発電コストの上昇につながります。
また、燃焼時に発生する窒素酸化物や硫黄酸化物などの有害物質が出ることがあり、影響が大きい場合は粉塵や臭いなども発生します。このため、環境規制が必要となることもあります。さらに、運転コストや施設設備などの投資額が高いことが課題となっています。
バイオマス発電の今後
バイオマス発電は、再生可能エネルギーとして注目されていますが、今後は新たな燃料としての利用方法も開発されていくと予測されています。例えば、原料の海藻をエネルギー源として、バイオマス発電に利用することで、海洋資源の利用拡大につながる可能性があります。
また、廃棄物から再利用できる生物資源や、地熱発電など他の再生可能エネルギーとの組み合わせにより、バイオマス発電の効率的な利用法も模索されています。
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