導入実績
サステナビリティに対する姿勢が重要
新井紙材株式会社様
業種
リサイクル業
所在地
茨城県
設置場所
屋根
太陽光パネル数
39枚
システム容量
21kW
太陽光発電を導入するまで
御社の事業について教えてください。
当社は古紙リサイクル業を営んでおります。企業や家庭から排出される不要な段ボールや新聞、雑誌、印刷用紙などの古紙を集め、種類ごとに選別・圧縮して再生紙の原料として製紙会社等に販売しています。リサイクルのプロセスの中で、回収、選別・圧縮という物流部分を担当しているのが当社です。当社は1951年に創業し、今年で73年目を迎えます。創業当初は本社のある港区で始まり、近隣地域から紙を集め、それを買い手に卸すという形でリアカーを使って事業をスタートしました。現在は、本社は事務機能のみで、その他に埼玉、茅ヶ崎、習志野、茨城の4カ所に事業所を構えています。今回太陽光発電を導入させていただいたのは茨城の事業所の方です。
新井紙材株式会社 代表取締役社長 新井遼一様
今回太陽光発電を導入されたきっかけというのは何だったのでしょうか。
庵﨑社長(弊社代表取締役)とのご縁が大きかったです。庵﨑社長にお会いしてお話を伺う中で、もともと太陽光発電には興味がありましたが、リサイクル業という業種において、今後さらに存在感を出し、生き残っていくためには、サステナビリティに対する姿勢が重要だと感じていました。CO2排出を減らし、資源の循環をリードすることが求められていると考えていました。
以前から再生可能エネルギーへの契約切り替えを検討していたのですが、コロナ前後の状況で新規受付停止やコストの問題があり、実現には至りませんでした。その後、庵﨑社長とお話しする機会があり、自家消費が今後の主流になるというお話を伺い、非常に納得しました。様々な可能性を検討した結果、最終的に現在の形で太陽光発電を導入することを決定しました。
業界全体にわたって、今後SDGsの取り組みに力を入れていかなくてはいけないといった雰囲気等はございますか?
古紙業界は全国や地域での組合組織がしっかりと機能している特徴があり、近年は組合活動としてSDGsの取り組みを推進しているところも増えてきています。しかし、中小零細企業が中心の業界なので、全体としては他の業界と比べて特別に進んでいるわけではないと思います。もちろん、非常に先進的に取り組んでいる企業も多く存在します。
太陽光発電を導入してから
リサイクル事業を行うにあたって、一番電力消費が多いと思われる機械は何ですか?
実は、当社ではそれほど多くの電力を消費するわけではありません。最大の電力消費源は、大型の油圧式圧縮機です。この据え付け型の機械が一番大きな電力を使用しますが、逆に言えばこれが主要な電力消費源です。この機械も24時間稼働しているわけではなく、主に9時から17時の日中に稼働しています。そのため、太陽光発電との相性が良いのです。太陽光が出ている間に機械を稼働させることができるので、効率的です。この機械は紙を押し固めることが主で、シンプルなもので、熱を加えたりすることはありません。そのため、もともと電力消費量は少ないです。
今回太陽光発電システムを導入した新井紙材株式会社 茨城事業所の様子
電気代が一番高い時はいくらでしたか?
ピーク時の電気代は事業所の4か所を合わせて月に100万円から120万円ほどでした。電力を多く使っている拠点で30万から40万円、他の拠点では20万から25万円程度でした。太陽光発電を導入した茨城事業所は月に30%ほどの削減を実現しました。
弊社代表を知った経緯及び最終的に弊社を選んだ決め手は何かございましたか。
庵﨑社長を知った経緯は、知人の経営者からの紹介です。ある会食の場でお会いする機会がありました。その会食は、サステナビリティに関心の高い少人数の集まりで、その中で庵﨑社長とお話をする機会がありました。私は資源リサイクルの分野で仕事をしていましたが、再生可能エネルギーについては知識が乏しかったため、庵﨑社長の専門知識に非常に興味を持ちました。話を聞いていく中で、私たちの事業との親和性を感じ、非常に共感しました。私たちもコストだけでなく、将来的にお客様に対してサステナビリティを含めた提案をしていく必要があると考えていました。そのため、まず自分たちが実践することが重要だと思っていました。ただ、再生可能エネルギーに関する業者は多く、どれが最適かを判断するのは難しい状況でした。そこで、庵﨑社長から直接お話を伺えたことが非常に大きな決め手となりました。
営業や工事の部分でどのような点が良かったか、改めてお聞かせいただけますか?
まず、事前にいただいた資料やプランが非常に細かく、十分な説明があったため、安心感がありました。設置の部分については、ほとんど任せきりでしたが、現場からは特にトラブルの報告もなかったので、スムーズに進んだと思います。実際、御社から提示していただいた資料やプランは、太陽光発電について詳しくなくても設置のイメージが湧くものでした。法律や制度の部分も含めて、現状と今後の見通しを踏まえた上で、今がベストな選択であると納得できる説明がありました。機材の選定に関しても、お話をいただいたので、理解しやすかったです。
新井社長が太陽光発電に対して最初に持った印象はどのようなものでしたか?
私はリサイクル業界にいるため、太陽光パネルのリサイクル問題については認識していました。再生可能エネルギーとしての太陽光発電には大きな可能性を感じていましたが、その後のリサイクルや廃棄についての対策に懸念を持っていました。国としても導入に重点を置いた政策を進めていますが、その後の処理については具体的な方針が見えにくい状況です。例えば、廃棄されたパネルをどのように処理するのかという点が心配でした。自分で太陽光発電を導入するのであれば、そうした問題にもきちんと対処できる体制を整えたいと考えていました。
社内で太陽光発電の導入に至るまで、社内でどのような話し合いが行われましたか?
今回は試験的な導入の意味もあり、基本的にはトップダウンで進めました。試験的に導入し、効果があれば埼玉や他の拠点でも段階的に進めていくという考えでした。そのため、具体的なプロセスとしては、トライアルの一環として導入を決めました。現場での設置に際しては、運営に支障が出ないように細かい点を打ち合わせしました。例えば、設置場所の選定や配線の引き方など、日常業務に影響が出ないように調整しました。
実際に太陽光発電を設置するにあたって、心配だったことは何かございましたか?
そうですね、メンテナンスの部分が心配でした。例えば、「ひょう」が降ったり、鳥の糞が付いたりして、ちゃんと機能するのかという点です。設置場所自体は非常に日当たりが良い場所だったので、そのメリットを十分に活かせるかどうかも気になっていました。設置後は発電モニターを定期的にチェックしており、導入から約1年が経ち、データも出揃ってきました。特に茨城県の拠点では、他の太陽光発電の未導入の事業所と比べて電力購入量を3割程度削減できており、間接的にCO2の排出量も減らせていることが証明されています。今後もデータを基にさらなる最適化を進め、必要に応じてご相談させていただこうと思います。
今後の事業展開や取り組みについて教えてください。
はい。当社はこれまで古紙の回収や再生を中心に事業を展開してきましたが、現在は扱える資源の範囲を拡大しています。具体的には、廃プラスチックや金属類、衣類など、リサイクルやリユースが可能なものを増やしています。これに加えて、どうしても廃棄物として処理せざるを得ないものも取り扱っています。
目指すのは、廃棄物のことならまず当社に相談してもらえる立場になることです。我々の強みは、廃棄物を資源化するための目利き力です。古紙はもちろんのこと、廃プラスチックやスクラップなどの資源を廃棄物の中から目利きし、最適な循環利用先のネットワークを築いています。このように、リサイクルやリユースを徹底し、可能な限り廃棄物を減らす、焼却を避けることで、コストの圧縮だけでなくCO2の排出量削減も実現できます。今後も「ごみのプロフェッショナル」としての地位を確立し、環境コンサルティングの分野にも進出していきたいと考えています。
また、自治体との連携にも力を入れています。市民が分別したリサイクル資源がどのように再利用されているかを明示し、リサイクルの成果が目に見える形で戻ってくるシステムを構築したいと考えています。市民が分別した資源が再生され、自治体や市民に利用される製品として戻ってくることで、リサイクルをする意味や重要性を実感してもらいたいたいと思っています。
自分の分別したものが何に使われているかの可視化を目指して
直近では埼玉の事業所「サーキュラーBASE美女木」というコミュニティスペースを開設し、リサイクル工程を見学できる施設を整えています。ここでは、回収された廃棄物がどのように処理されているかを視察でき、なぜ分別が重要かを直接体感していただけます。この施設では、企業がどのような取り組みを行えるかについてのレクチャーやワークショップも開催しています。また、例えば庵﨑さんのようなエネルギーに専門的な方を招いて、太陽光発電に関するセミナーを開催し、ネットワーキングの場としても活用していきたいと思っています。このような取り組みを通じて、環境コンサルティングとしての領域も広げていきたいと思っています。
これからは、「作る側の責任」も重視される
結局、我々リサイクル業界や産廃処理の業界は、後始末の役割を担っています。すなわち、製品が作られた後に出てくる廃棄物をいかに再利用するかが重要な課題です。しかし、紙とプラスチックが複合的にくっついている製品や、リサイクルが難しい紙が使われた製品など、分別が難しい場合があります。そのような製品は焼却処理されることが多いです。そこで、今後は製品を作る側にも捨てた後の視点を持つことが求められます。つまり、製品設計の段階からリサイクルしやすい素材や構造を考慮することが必要です。我々の業界が特にその重要性を訴えていくことができると考えています。どんどんそれが世の中的にも必要とされている時代になってきています。
サーキュラーエコノミーと類似するエネルギー問題
日本はこれまで石炭や石油など、海外から安定的かつ安価に供給される資源に依存してきました。国内にはほとんどないこれらの資源を、先人が構築してくれた秀逸な調達の仕組みにより、無限に使えるかのように利用することができました。その結果、豊かな生活が実現しましたが、この仕組みが今後も継続できるかは疑問です。限られた資源である石油や貴金属などの鉱物は、日本にはほとんど存在せず、海外から購入する必要があります。世界的な人口増加に伴い、資源の価格は上昇し、日本が購入競争に負ける可能性もあります。これまでのように無制限に使って捨てるのではなく、限られた資源を有効に活用し、リサイクルすることが求められます。そのため、今後は資源の持続可能な利用に向けた取り組みがますます重要になります。いわゆるそれがサーキュラーエコノミーという考え方です。EUも同様の理由で、海外資源への依存を減らし、国内での資源循環を進めることで経済的自立を目指しています。エネルギー問題と同様に、化石燃料という有限の資源に依存することが問題であることと同じです。
環境省:循環経済(サーキュラーエコノミー)に向けて参照
最後に
最後に、太陽光発電を検討している方に一言アドバイスをお願い致します。
一番大事なのは、なぜ太陽光発電を導入するのか、その目的を明確にすることです。これはコスト削減のためなのか、サステナビリティを考えているのか、あるいはBCP(事業継続計画)の一環としてなのか。単純にCO2排出を減らすことが目的であれば、電力契約の切り替えも一つの方法です。太陽光発電を選ぶ理由をしっかりと考えることが重要です。弊社の場合はエネルギーの自立という点に重きを置いています。自分にとって最適な形で導入することが一番良いと思います。
新井紙材株式会社様公式ホームページはコチラ
https://araishizai.com/
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